介護福祉士は他の業種に比べ、将来性のある職種と言える。まず明らかな理由として、高齢者の数が増え続けているということが挙げられる。総務省統計局の報告では2021年の日本の人口に対する高齢者の割合はおよそ30%に上り、2040年には35%になると予測されている。現時点ですでに介護業界は人手不足で悩んでいるが、今後はこの傾向が加速すると予測できる。
人手が足りない介護業界ではAIやロボット技術の導入を始めているが、介護はAIで補える側面が少ない職業だ。というのは、介護は人を相手にする職業であり、要介護者やその家族の心のケアも重要な仕事だからだ。実際に人と関わる機会の多い高齢者は良好な健康状態を維持しやすい傾向にある。また要介護者の生活環境や身体の状態は多種多様で、それぞれに合わせた介護を、チームで連携して行わなければならない。そこまでの対応力を持ったロボットが開発され世に浸透するのは、まだ当分先のことだろう。
また介護福祉士は個人の能力を証明しやすい資格だ。一般的な会社だといくら業績を上げて出世して高い役職を得ても、その会社を出ればただの人である。しかし介護福祉士の資格は国から認められている国家資格なので、全国どこに行っても自分の能力を認めてもらうことができる。さらに高齢者がいない地域は少ないので、地方に行っても職探しに困ることが少ない。
キャリアパスがしっかりしているということも、介護福祉士の将来性を裏付ける。介護福祉士として経験を積んだ後は、認定介護士、ケアマネージャー、施設運営者、看護師、療法士など次のステップが用意されている。常に上を目指せる環境は、介護職ならではだ。
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